近江鉄道 近江鉄道の経営

近江鉄道の経営内容をご存知ですか。
近江鉄道の経営内容について詳しく紹介します。

近江鉄道の111年

近江鉄道の奇跡の経営
近江鉄道沿線には「近江商人発祥の地」として知られる東近江市の五個荘があります。近江商人は成功して東京や大阪に店を構えても、本宅は発祥の地に置いたまま全国に号令することが多かったといわれ、近江鉄道沿線は、水口や日野など近江商人たちが輩出した地を結んでいるのです。総延長59.5キロのローカル鉄道は、1896(明治29)年の創業以来111年間、どこにも合併されることなく、当時の社名のままで今日を迎えた近江鉄道は、鉄道史学会会長の小川功・滋賀大教授は「奇跡に近い」と話す。 近江鉄道の本社を訪ねると、「辛苦是経営(しんくこれけいえい)」という、鉄道会社に似つかわしくない石碑が立っていた。

■前方よし 商人魂で道開く
昨年初め、近江鉄道本社の書庫から、1901(明治34)年4月1日付の「近江鐵道株式會社株主名簿」が見つかった。750株をもつ筆頭株主は井伊直憲。桜田門外の変で暗殺された大老井伊直弼(なおすけ)の次男で、井伊家16代当主だった。 旧彦根藩士が中心になって創業された近江鉄道は、高騰する用地買収費で資金難に陥り、彦根―愛知川間が開通する前の1898年1月に当初の経営陣が総退陣する。代わって経営を担ったのが、沿線に居を構えていた近江商人たちだった。

近江鉄道の資金難

近江鉄道の経営その中心人物の一人が、東京、大阪、京都に店を構えた呉服問屋「丁吟(ちょうぎん)」(現「チョーギン」=本社・東京)の当主・4代目小林吟右衛門だった。小林は本業を東京にいた弟に任せ、銀行からの借金の連帯保証人になって経営に打ち込む。滋賀県東近江市の小林邸に設立された近江商人郷土館の館長を務める末永国紀・同志社大教授は「松方デフレと呼ばれる厳しい不況で本業は行き詰まっていた。新たな事業分野に乗り出さなければ、という危機感があったのだろう」と分析する。小林は近江鉄道が銀行借金を完済し、連帯保証の重圧から逃れた直後の1905年に死去した。旧彦根藩士としてただ一人、役員に残っていた西村捨三も同年、資金難の苦しさを表した「辛苦是経営」という石碑を残して辞職した。 沿線人口が少なく、経営の厳しさは、電力会社の傘下を経て1943年に沿線出身の堤康次郎率いる西武グループに入っても変わらなかった。戦後、収入を支えた貨物輸送も、国鉄彦根駅の貨物取り扱いの中止に伴い88年に撤退せざるを得なかった。

近江鉄道の倹約
逆境のなか、近江鉄道は、近江商人のモットーでもある「倹約」を徹底する。現在保有する60両はすべて中古。旧国鉄のほか、西武鉄道系のグループ会社から譲り受け、彦根駅構内の車両工場でワンマン運転用に改造した。最盛期の1950年前後には鉄道部保安課電車区は85人の職員を擁し、木造のモハ1系や500系を半鋼製や全鋼製に改造するなど全面的な作り替えも手がけてきた。近江鉄道の鉄道部次長の伊藤忠司さん(59)は「新品の車両を買えば数億円かかるが、改造すれば数分の一で済む。職員の技術力も磨かれた」と話す。 近江鉄道本社も73年に土地区画整理事業のため仮移転した築59年の元中学校の木造校舎を、一部補強工事をしただけで使い続ける。一方で、速度超過を監視することができる自動列車停止装置(ATS)の導入を進め、JR宝塚線の脱線事故後にはカーブなど14カ所に追加整備した。「一度でも事故を起こしたら会社がつぶれるから、安全面だけは節約できません」と近江鉄道鉄道部長の高木久次さん(58)。ドル箱路線もない、地方の私鉄が1世紀を超えて生き残った「奇跡」は、近江商人の知恵が経営に生き続けているから起きたのではないか――。そう思えた。

近江商人とは
近江国内の市庭で活躍し、商業圏を形成していく商人たちは、中世では、京都・美濃・伊勢・若狭の各街道の通商権を持つ商人にわかれていました。
 若狭(福井県)方面へは湖上経由の九里半街道を通って、小幡・八坂・薩摩・田中江・高島南市の商人が通商しました。彼らは五箇商人と称され、主に塩合物(塩魚)を取り扱う卸売商でした。
 伊勢(三重県)へは八風・千草両街道を通って、小幡・保内・沓掛・石塔のいわゆる四本商人が通商しました。彼らは鈴鹿山脈を越えるため山越商人とも称されています。海産物や塩・布など多彩な商品を取り扱い、市売や里売といった小売までをおこなっていました。
 ここ五個荘の地を本拠とする小幡商人は、流通幹線路の東山道沿いに位置する利点を生かして、四本商人と五箇商人を兼ねる唯一の商人団として活躍しました。小幡商人は、江戸時代から活躍する近江商人の原型となりました。

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